フェニアン・ラム
こんな有料オプション使わないと他のブログと同等の昨日を使えない駄ブログは卒業しようかと思っていたけど、踏みとどまろうかと思う。
この間、佐々木とすれ違った。
そう、ゆうすけの弟とすれ違ったあの場所、駅前で、だ。
佐々木とは、自称父親がザ・グレート・ムタという大のプロレス好きで小中の同級生。
かつてはキャバクラのキャッチとかやってて、エクステとかつけてて気持ちが悪い人だったらしいが、この前見たときは黒の地毛だった。
そしてオレは奴と対峙した、といってもすれ違いザマだ。
しかし、奴と目が合う。
奴は気付いたはずだ。
オレも気がついた。
すれ違いザマという状況だが、互いの目は死闘を繰り広げている。
目で戦っているのだ。
かつて、奴と俺は色々な格闘をしていた。
奴のテーマソングはウルトラソウル。
ビーズを口ずさむと奴のラッシュが始まる。
俺はそれを真正面から受け止める。
下手に回避することなど3流のすること。
受けることこそ1流。
受けなければショービズの世界ではやっていけない。
ということでその戦いは防御と回避という言葉は存在しなかった。
そのような因縁を持つもの同士だが、今回は睥睨するだけの勝負となった。
人生いかなる場面で戦闘が生じるかわからない。
いかなるバトルをも覚悟しておくべきだ。
アントニオ猪木は言った。
「いつ何時どんな相手でも戦う」
と。
そして今回のルールは簡単。
先に目をそらしたほうが負けだ。
また、先に声をかけたほうが負けなのだろう。
暗黙の了解だ。
互いに歩きながらもじっと相手の目を見つめている。
父親がプロレスラーという七光りの奴と、
目つきが鋭いことに定評がある俺は相手の出方を伺っている。
動揺を表してはならない。
相手に動揺が伝わった時点で勝利はない。
これはまさに自分との戦いなのだ。
互いの距離が縮まる。
斜め前に奴が来た。
最大の局面だ。
両者の目つきがもっとも鋭くなる刹那、奴は45度首を傾げた。
勝った!
俺の勝ちだ!
俺は勝利に酔いしれようと思ったがふと気がついた。
こんなことに勝利してなんの意味があるのか、と。
ただの人相が悪い人じゃないか。