USEN社長宇野康秀

tudakku2006-07-07

よく言われるのがイケメン社長ですか、まったくその通りでしたよ。
昨日は株式会社 USEN | USEN CORPORATION宇野康秀さんが来ました。

全然かっこいい。
かっこよすぎです。
これが42歳ですよ。
若すぎる。
宇野さんはよく「ボンボン」とか言われますが全く違うんです。
僕も最初はそう思っていましたが。


親が事業をやっていたから自分もやりたかったらしい。
しかし、親や当時のほかの経営者のように自分にはカリスマ性がない。
だから、大学入学時に、事業家の力をつけることを決意します。
サークルを運営します。
最大で2万人規模にまで膨れ上がったとか。
これで、「自分でもできる」という自信がついたんです。
「世の中に何かを残しておきたい。別に社長になりたいわけではなかった。だから、一回就職して事業の勉強をしたかった」
宇野さんは大学卒業後、リクルートコスモスに入社。
リクルートコスモスリクルートの子会社で、不動産関係でした。
当時はバブルで、不動産ブームでしたから。
「居心地がよくなったんですよ。だから、これじゃだめだと。
そして、仲間4人でインテリジェンスを起業したんです。
銀行でカードローン組んで、一人4枚まで作れるから一人200万で、資本金の1千万は集まりました。
しかし、事業計画書には、なんでも書いていたんで、実は何やるかも決まってなかったんです。」

とにかく、何かやりたかったそうです。



「若さがハンデになったんですよ。なめてみられるんです。
じゃあ、ハンデにならない仕事をしようということで。
企業に学生を回す仕事を始めました。
学生に近い=若いことを活かせたんです。
終身雇用も終わったし、人材の流動化が当たり前になると予想したんです。
それが当たったんですね。」

先見性が窺えますね。


また、彼の努力に対する姿勢はものすごいんですよ。
サイバーエージェント藤田晋はこの会社に勤めますが、彼はこう言っています。
「ある日、朝一番に私が出社して仕事をしていると、奥の書庫のダンボールで仮眠をとっていた宇野社長がよれよれの状態で出てきたこともありました。
当時の宇野社長は社内1のハードワーカーだったのです。土日も当然のように会社に行っていました。」


インテリジェンスでは、「努力経営」をしていたそうです。
「努力しか経営資源がないと認識することで、社員全員が力を最大限に出していった」


インテリジェンスは2000年に上場を果たします。


大阪有線の父親が倒れた時、自分に「継いでくれ」と頼んで最初は断ったんですが、800億の負債もあったことから、「自分が継がないと潰れる」と思い継ぐことになります。

そして、800億の負債と違法配線というハンデを抱えます。
父親は違法配線でやっていたのです。

実態は、NTTには使用料はちゃんと払っていたんです。
しかし、行政が「道路の使用料を払え」と言って来る。
ところが、道路の使用料を払っているのはNTT。
有線がまた払ったら2重払いになる、というのが父の言い分だったんですが、世の中の風潮がそれを許そうとはせず、違法というレッテルを貼られていきます。

後を継いだ宇野は、この違法状態を正常化する作業に取り掛かります。
しかし、日本全国に電柱は3000万本あり、そのうち有線が通っているのはなんと750万本。
ほとんどの電柱に有線が通っているんです。

社員が無理だと言っても宇野は決して止めようとしない。
無理だと言って辞める社員が続出したそうです。

さらにやっかいなのが、行政に正常化しようと、手続きをしようとしても、行政はこういう手続きをしたことなんてないから写真が貼ってない、とかかなり厳しいことを言ってくる。
写真が必要になったんですよ。
全国750万本分の電柱の写真が。

それを全部、一枚一枚やり遂げました。

北海道の奥地なんか、営業所に1人しかおらず、その人一人でやったそうで、倒れてしまったとか。
だから、奥さんが代わりに手伝ってくれて完遂できたそうです。

まったく涙が出るほどの努力ですよ。


この正常化作業で宇野はまた300億の借金を背負ったそうです。

800億+300億の借金。
「借金だらけの人生です。」
と。



有線を継いだんですが、なんと有線はそのころ、98年ごろ、でもなんと手作業でパソコンもなかったんです。

だから宇野は「来年からは、僕からの指示とか伝達は全部メールでやります。メール見たり、返信できなかったら、僕とコミュニケーションが取れないと思ってください。みなさん、正月、がんばってください。」

と改革を進めました。

この改革は効果はあったようです。

しかし、反発は大きく、「社内の掲示板には、『あのアホ息子が』などの中傷書き込みが常時あり、自宅に『どれだけ社員を苦しめるんだ。このばか野郎。すぐ辞めろ。』と書いた紙を貼り付け血がついたワラ人形が送られてきたこともあった。」
「そのうえ、役所との折衝、メディアに流される違法会社という悪評にも悩まされた。」



次第に、正常化作業は完了し、企業業績も黒字化して借金も返済していきます。


そして、光ファイバー事業を展開し、インフラを整備しギャオを始めるまでになります。

今では1000万人を越える会員で、
「今日来ている人で、ギャオを見たことがある人」
と言ったら
「おお!!ほとんどですね。」



「もし、自分で事業をやりたいけれど自信がない人はやってみて欲しい。
私もそうだった。
素直に、迷わずに、覚悟してやってきたんです。
金、知識、人脈がないとかの、やらない人の言い訳なんて全く関係なくて、お金なんて作ろうと思えば作れるし、知識なんてのは働いているうちについてくる。
人脈について言えば、私は人脈があります。
それは私にはUSENの社長という立場があるからです。
立場に人が付いてくるんです。
何もない人が人脈を作ろうと思っても付いてきません。
ビジネスモデルなんて考える必要はなくて、起業家で一番初めにやった仕事で成功した人なんていないんです。
大事なのはその時その時で、何をすべきか、それをやることができればいいんです。
二番煎じでもいいんです。」


せっかくなんで質問しました。

僕「社長はどんな人を採用するんですか?」

どこかの雑誌に絶対載ってる質問をしてしまいました。

言った後に後悔しました。
もっと聞けないような質問もあったろうに。

思わず質問してしまったんです。
是非、聞きたかったんです。

宇野「2つあります。
一つ目は一緒にやりたいと思う人です。
二つ目は素直な人。
これにも2つのタイプがあって、自分はまだまだ伸びると思っている人。
自分はこれしかできないと思っている人。
伸びると思っている人、決め付けない人、共に伸びて共にやりたい人とやりたい。」

他の人の質問です。

学生「行政の規制緩和などをどう考えるか?」

宇野「規制など色々あって、10年前はダメだったが、今は適正なくらいかな。
行政のやってる、例えば竹中懇談会なんかは勝手にやってろって感じですね。
そのルールの中でやっていくだけです。
やりながら、世の中が変わっていく方向に持っていくんです。」

教授「私も役人の親分みたいなのをやっていましたが、役人は規則を作ることに生きがいを感じるんです。
規則がないと、自分たちの仕事がなくなってしまうから。


生徒「テレビとパソコンの垣根がなくなる未来のテレビをどう思うか?」

宇野「わからない。
今、日本の会社数社が集まってリナックスベースで対マイクロソフト連合を作ろうとしています。

どうなるのかはわかりません。

しかし、グローバル化といえば、数年後、my spacemixiを凌駕するのは間違いないでしょう。」

生徒「大学のうちにやっておけばよかったことは?」

宇野「英語です。通訳越しに話しているのが辛いんです。


それ以外では思ったことがやれて、大学を出る時にはかなり自信がついていました。
そこそこ稼げるという、圧倒的な自信が。
自分のコンプレックスを一つずつ消していったんです。
自分がかつてできなかったことを、何でもやったいったんです。」


生徒「どのように次の流れを読むか?」

宇野「よく『何年後の未来はこうなる』とかの本をよく読むんです。
その作者と自分の考えをシミュレーションしてみるんです。
あと、インテリジェンスの社員とよく『未来予測ゲーム』なんてものやりました。
『株価がどうなる』とか『NTTは民営化されているか』とか、5年後を予測して封印します。

結果的に私が一番勝ってましたね。

考えている人と、考えていない人とは大きく違ってきます。
日常的に考えている人は思いつく可能性が高くなります。
考えていないと当たり前の法則に気付かなくなります。
考えていけば見つかります。
例えば高齢化社会なんか。」


生徒「今後、海外進出とかは?」

宇野「今、上海にカラオケを普及させています。
ギャガがハリウッドに働きかけて、日本の作品をハリウッドにリメイクさせています。」

教授「どうして日本でFTTHが成功したのか?」

宇野「FTTHが日本で成功したのは、日本が都市密集型だからです。
アメリカで、FTTHの普及は難しく、他の方法が考えられています。」

生徒「エンターテイメントとビジネスは私は違うと思っているんですがどう思いますか?」

宇野「その考えは正しい。
終極的には金儲けを目指すには、エンターテイメントだとあまり儲からない。
金融などのほうが儲かる。
しあkし、儲けとかなしに、エンターテイメントをやりたい。
エンターテイメントとビジネスという相反する感覚のバランスをとることで、そこそこの儲けを出して、成り立たせています。」

生徒「創業メンバーを選んだ理由は?」

宇野「なんとなくです。
その4人の志が同じ高さの奴らだったからです。
同じ高さの目標を持っているかどうかです」

生徒「軋轢などありましたか?」

宇野「会社を変えようとしても乗ってこようとしない、とか当たり前の苦労はありました。
相手が諦めるまで自分が苦労するんです。」