インド発展の光と影
ハーベイロードジャパンの一行がインドに取材に行ったそうです。
BRICs特集その①ということで、今回はインドということです。
ブリックスはもう誰もが知っていることですが、最近ではBRICSと大文字のSの南アフリカを入れることもあるとか。
ワールドカップのサウスアフリカ大会が開催されることで、一気に経済発展が見込めるという予測も一部ではあるそうです。
アパルトヘイトで有名ですね。
南アフリカの差別を知るにはリチャード・アッテンボロー監督の「遠い夜明け」がいいです。
差別と言えば、カーストで有名なインドですが、最近よく「インド株」とか「インドで儲ける」という雑誌が売れているそうです。
しかし、実態はどうなのか。
まず、最初に首都の紹介からはじまりました。
全然経済発展を感じさせません。
高い建物なんかは一切見えず、ぼろい建物ばかりです。
しかし、地下に入ると一転します。
地下鉄は日本資本で作られた地下鉄とその駅はとてもきれいで、利用者は
「自分のうちより快適です」
とのこと。
次に、自動車メーカーの紹介がされていました。
インドの産業はタタ財閥が牛耳っているのは有名ですが、自動車では日本車が圧倒的なシェアを誇っています。
1位は50%以上のシェアを誇るスズキでした。
2位がタタ。
3位が現代です。
2位と3位はほぼ拮抗していました。
スズキは圧倒的でした。
しかし、インドでのスズキのここまでの発展はすさまじいものがあり、政府から嫌われ、色々妨害活動をされたので最終的に、進出先のインド政府を訴えるということまでやってしまいます。
そして、その裁判でスズキの主張は認められました。
また、インド人労働者は向上心がないのでカイゼン、カイゼンを叩き込むことに苦労したそうです。
あと、重機においてコマツが高いシェアを誇っているということです。
インドではITが有名ですが、なぜITが発展したのか?
それは、中国には設備投資がさかに行われているんですが、インドには全然行われてこなかったので、設備がいらない、ITに走ったということでした。
日本人が、インドのIT会社に入って一緒に働いたそうですが、彼は舌を巻いたそうです。
インド人は掛け算を20まで出来て、非常に暗記力がすごいそうです。
彼「インドの人の記憶力はすごいんです。
その日授業でやったことは全て空で言えるほどです。
仕事でも、会議においてもメモは取らないで全部暗記です。
だからその分、日本人より仕事をこなすスピードが速いんです。」
あるインド人経営者は
「日本のソフト開発のほとんどをわが社で開発できる。」
と豪語している人もいました。
しかし、インドでは重大な問題があります。
差別です。
カースト制は法律では禁止されていますが、その実態はないようなものです。
スズキの食堂の例を挙げます。
労働者達が食堂で食事をしています。
日本人のマネージャーも一緒に食べています。
しかし、現地のマネージャーは下りて来ません。
上で眺めているだけです。
そう、彼らは上位カーストでした。
日本人の経営者達が、下位カーストの労働者と何度も一緒になって飯を食べることを繰り返すことでこれは徐々になくなっていったそうです。
下位の人は労働者、上位はマネージャー、とすでに身分が決まっているのです。
それは教育費にかけられるかどうか、というところもあり逆転することはほぼ不可能だということでした。
だから労働者の向上心が低いのだそうです。
「インドのカースト制という差別が産業の発達に影響しないわけがない」ということを視察にいった代表の人が言ってました。