先日はワークスアプリケーションズの牧野正幸社長が来た。

ワークスは設立5年でジャスダックに上場した。

人事のERPで日本のシェア№1を誇り、日本では4社に1社がワークスの人事ERPを使っている。

ワークスを起こすきっかけは、シリコンバレーベンチャー企業を知ったからだった。

ベンチャーの定義とは、社員全員が優秀な企業であること。

故に、シリコンバレーベンチャー企業は100人が100人とも非常に優秀な人材で構成されているため、あんな少数で大企業を抑えることができたという。

これを知った牧野社長は、日本でも真のベンチャー企業を創りたい、と思いワークスの設立をを思いつく。

日本のERPはアメリカの100倍の価格だった。

退職金制度、年金制度など複雑で、アメリカと違い、会社ごとに様々な違いがあり日本にはオーダーメードが必要だったからだ。

そして、これはなんとも無理っぽくて誰も改革を起こそうとは思わなかった。

理由はいくつかあった。

1、B to Bで大企業相手(信用、ブランドが大事)

ベンチャー企業は信用がなく、注文を発注してくれるわけがない。

2、人材

そもそもベンチャー企業に優秀な人材が集まるはずがない。

3、製品・サービス

日本では既に海外の企業、SAPがシェアを取っている。

4、資金

ERPは初期に莫大なコストがかかる。
実績や担保のないベンチャー企業間接金融(銀行)からの融資を受けることができない。



失敗のキーワードを挙げられ、「できっこない」と言われた。


しかし、社長は発想を転換し、だからこそ参入すれば高い参入障壁を築くことが出来で、真似のできない唯一の企業を創れると思った。

ではまず信用はどうしたか。

当時は不況の真っ只中で、コスト削減が必要な企業があった。

しかし、信用のないベンチャーは相手にされない。

そんな中、もはや信用のないベンチャーの安いERPでも欲しいくらい、コストを抑えたい企業があった。

そこに納入して、予想以上に高い評価を得ることができた。

では、人材はどうしたか。

これも不況が助けてくれた。

不況のせいで、当時はリストラが流行していた。

そのため、優秀な社員でも不安を覚えている人達が多かった。

特に、大企業の企画部なんかは手に職を持っていず、リストラされたら再就職できるか不安だったのだ。

そこで、ワークスは6ヶ月かけて研修させる制度を作った。

これは、6ヶ月間プログラミングの研修をさせてあげて、さらに研修後はワークスに入社するのは自由、しないのも自由ということで人を集めた。

これには三菱東京UFJを筆頭に、非常に優秀な社員達がこぞって応募してきた。

当然、ワークスに入社する人も大勢いた。


製品はどうしたのだろうか。


優秀な人材が大勢いたため、非常にクオリティの高い製品を作ることが出来た。


資金はどうしたか。

ベンチャーキャピタルから借りた。

そのため上場時には、あまりに創業した社長自身の持ち株比率が低すぎたため、ベンチャーキャピタルから哀れまれ、逆に株式数を分けてもらった程だった。

それは金持ちになるのが目的ではなかったからだった。

社長としての給料さえもらえればいい、という覚悟だった。

故に、これから起業を志す人達には、自分の利益のために起業するのはやめて欲しい。

ベンチャー企業は、そのビジネスで社会貢献をするのだ!


世の中で、働いていて、必ず矛盾することやおかしいところにぶつかる。

それを解消するのがベンチャーなのだ。

一流の組織より、一流の人材が集まる所で働け。


ワークスのインターンシップでは毎年1万人の応募がある。

その中から1000人選ばれ、さらにその中から25%が選ばれる。







という内容だった。