面接は学生2、社員2の形式だった。

一緒に面接した学生は東大の院生だった。

社員は米倉誠一郎に似た中年の男と、美人の女性という組み合わせ。

最初に自己紹介となぜ武藤忠のインターンを志望したのかを求められた。

自己紹介で早速失敗した。

大学と自分の名前しか言わなかった。

もっと多くのことを話すべきだったけど、頭が飛んでしまった。

で、なぜ羽藤忠かといえば、一年の時の授業、『大隈塾』で知った新藤忠の会長、丹羽宇一郎氏に感動して、ということを述べた。

自分の番が終わると、隣の院生の番になった。


その院生は、自己紹介では大学で主に研究していること、そして自分はチャレンジ精神旺盛だということを強調し、工藤忠商事も様々な分野にまたいで企業経営を行っていて、実にチャレンジ精神溢れる企業ということで、自分にあった企業で、というようなことだった。

上手いと思った。

それ以降の会話で食いつきがよかった、というか米倉面接官はほとんど院生の方に向いていた。

美人面接官はほとんど質問してこなかった。




帰り、院生と帰る方向が一緒だったので色々話したら仲良くなった。

帰る方向も北千住と久喜ということで、北千住まで一緒だったから結構色々話せた。

彼はどうやら金融や商社に興味があるようだった。



北千住に着き、家に帰る途中で宮川大助花子の大助に似ている人とすれ違った。