太郎と鈴でたろたろりんりんりん
昨日は、埼玉県のベンチャー企業フォーラムで木村剛の講演を聞いてきた。
場所はさいたま新都心駅から歩いて数分。
スーパーアリーナの近く。
木村さんは日銀入行後、35歳になるまで勤めた。
35歳の時の年収は1800万で、三鷹に家賃25000円の家まで貸与されたというから日銀マンの待遇は破格だ。
なぜ、起業したのか、というと、したかったからだ、と彼は言っている。
しかし、著作『通貨が堕落するとき』に彼と思しき人物の描写が出ていた。
その人物は日銀マンであり、政策提言をしているのだが、不良債権問題の90年後半の時代に質問を受ける、
「日本はどう再生すればいいんですか?」
「ベンチャー企業家精神を持った人に頑張ってもらうしかない」
「ではなぜあなたは起業しないんですか?」
「うっっ」
とこの日銀マンは言葉に詰まった。
同じことが彼にもあったのだろう。
財部誠一との共著が日銀時代からあるが、その時から彼は政策提言している。
日本を良くしたい思いはある。
しかし、日銀というクビには絶対にならない場所にいて、さらに高い給料。
辞められるわけがない。
でも自分の思いを遂げるために辞めるとはもの凄い。
自分でも『狂気』『起業するのはバカ』と言っている。
彼が言いたいのは、日本の経済政策はマクロしか見ていない。
本当はミクロも大事だよ、ミクロが頑張らなくてはいくらマクロ政策をやったってムダだと言っている。
ドラッカーはミクロを礼賛しマクロを散々けなしているし、シュンペーターはイノベーションと言ってベンチャーが出ないと経済は活性化しないと言っている。
やはりミクロ。
ミクロとマクロが両方ないと経済は活性化しない。
国のマクロ政策はもう十分だ。
ミクロの我々が頑張る時なのだ!ということを言っていた。
彼はKPMGと組んで起業したが、日本の外資系についても語っていた。
日本の外資は5流です!と。
かつては4流だったらしい。
というのは、
1流はNY。
2流はロンドン。
3流はヨーロッパ。
4流は中国・アジア。
5流は日本。
日本に派遣されるのは5流の外人しか来ないらしい。
また、KPMGはユダヤ系だったらしく、外資の中でも特に厳しかったらしい。
1にマネー。
2にマネー。
3にマネー。
4にマネー。
5にマネー。
6に………
全てがマネーらしい。
また、外資が全て実力社会というのは勘違いだという。
ゴマすり、金魚の糞が横行しているらしい。
これですね。
http://kihachin.net/klog/archives/2007/05/brownnose.html
トップだけは本当の実力者がなるらしいが、こういう世界らしい。
ということで、彼は売上目標を達成してそれを報告しに行くとKPMGの幹部からは、
「木村、よくやった。プレゼントをやろう」
木村「ありがとうございます。何ですか?」
「来年はこの2倍の売上を上げろ」
木村「………」
と新たなノルマをくれたそうだ。
このため、米国資本主義がほとほと嫌になって、日本の株主に鞍替えしたら、日本の株主は、
「木村君、一つ守ってもらいたいことがある」
木村「何ですか?」
「決して赤字だけにはしてくれるなよ」
木村「………ありがとうございます!」
日本の株主には本当に感謝しているらしい。
これほど物言わない、良い株主はいない、と。
だから、日本企業で株主を軽視している企業は許せないのだろう。
まあ、色々大変ですわな。